Tullamore(タラモア)蒸留所
アイルランド中部・オファリー県タラモアに位置する蒸留所。
世界的に知られるTullamore D.E.W.を生み出し、
ブレンデッド・ウイスキーから長期熟成シングルモルトまで幅広く展開しています。
Tullamore蒸留所とは
Tullamore Distillery(タラモア蒸留所)は、 アイルランド中部オファリー県の町Tullamoreに位置する アイリッシュウイスキー蒸留所です。
この町を代表するウイスキーが 「Tullamore D.E.W.(タラモア・デュー)」です。 ブランドの歴史は19世紀まで遡り、 現在ではアイルランドを代表する アイリッシュウイスキーブランドの一つとなっています。
現在のTullamore Distilleryは、 Tullamore D.E.W.の故郷であるタラモアの町に ウイスキー生産を取り戻すために建設され、 2014年に蒸留を開始しました。
Tullamore D.E.W.の歴史
Tullamore D.E.W.の歴史は、 1829年にタラモアで設立された蒸留所に始まります。
ブランドの発展に大きな役割を果たしたのが Daniel E. Williamsです。 彼は若くして蒸留所で働き始め、 やがて経営を担う存在となりました。
「D.E.W.」という名称は、 Daniel E. Williamsのイニシャルに由来しています。 彼の時代に蒸留所は近代化され、 Tullamore D.E.W.はタラモアを代表する ウイスキーブランドへと成長していきました。
しかし20世紀に入ると、 アイリッシュウイスキー産業全体が長い低迷期を迎えます。 タラモアの旧蒸留所も閉鎖され、 長い間、この町ではウイスキーの蒸留が行われなくなりました。
タラモアへの蒸留復活
Tullamore D.E.W.ブランドはその後も存続しましたが、 ウイスキーそのものはタラモア以外の蒸留所で 生産される時代が続きました。
大きな転機となったのが、 William Grant & Sonsによるブランド取得です。 Tullamore D.E.W.を再びその故郷で造るため、 オファリー県タラモアに新しい蒸留所が建設されました。
2014年に新しいTullamore Distilleryが稼働し、 タラモアの町にウイスキー蒸留が復活しました。 現在の蒸留所は、 歴史あるブランドと現代のアイリッシュウイスキー生産を 結び付ける重要な拠点となっています。
ウイスキー造りの特徴
3種類のウイスキー
Tullamore D.E.W.を特徴付けているのが、 グレーン、モルト、ポットスチルという 異なるタイプのアイリッシュウイスキーを使い分けることです。
主力のTullamore D.E.W. Originalでは、 これらの異なるタイプの原酒をブレンドすることで、 果実味、スパイス、滑らかな甘さを組み合わせた ブランド独自のスタイルを作り上げています。
3回蒸留
Tullamore D.E.W.では、 アイリッシュウイスキーの伝統的な製法である 3回蒸留を重要な特徴としています。
3回蒸留によって得られる滑らかな酒質を土台に、 モルトやポットスチル由来の果実味、 穀物の甘さやスパイスを組み合わせています。
多様な樽の活用
熟成にはバーボン樽やシェリー樽をはじめ、 商品によってさまざまなタイプの樽を使用しています。
特に長期熟成シングルモルトでは、 複数種類の樽を使ったフィニッシュによって 果実味や甘み、スパイスに複雑さを加えています。
Tullamore D.E.W.とシングルモルト
Tullamore D.E.W.という名前から ブレンデッド・アイリッシュウイスキーを 思い浮かべることが多いですが、 ブランドにはシングルモルトも存在します。
代表的なのが 「Tullamore D.E.W. 14 Year Old Single Malt」と 「Tullamore D.E.W. 18 Year Old Single Malt」です。
いずれもモルト原酒を長期間熟成した アイリッシュ・シングルモルトであり、 Tullamore D.E.W.のモルトウイスキーとしての側面を 知ることができる銘柄です。
そのため、本サイトでは Tullamore D.E.W. Originalなどのブレンデッド商品ではなく、 シングルモルトに分類される銘柄を アイリッシュ・モルトの対象として紹介します。
18年シングルモルト
Tullamore D.E.W. 18 Year Old Single Maltは、 さらに長い18年以上の熟成期間を持つ アイリッシュ・シングルモルトです。
長期熟成による深みを土台に、 複数の樽を活用したフィニッシュによって ドライフルーツや甘いスパイス、 オークを思わせる複雑な香味を加えています。
味わいの方向性
Tullamore D.E.W.のシングルモルトでは、 3回蒸留による滑らかさを土台に、 果実やバニラ、モルトの甘さ、 穏やかなスパイスを重ねたスタイルが見られます。
長期熟成品では、 熟成によるオークの深みと フィニッシュに使われる樽由来の果実味が加わり、 より複雑な香味へと発展します。
アイリッシュ・シングルモルトらしい 滑らかで親しみやすい酒質を保ちながら、 長期熟成と多様な樽使いによって 奥行きを持たせていることが特徴です。
Tullamoreの位置づけ
Tullamore D.E.W.は、 Jamesonなどと並んで世界的に知られる アイリッシュウイスキーブランドの一つです。
ブランドの歴史は19世紀まで遡る一方、 現在のTullamore Distilleryは 21世紀のアイリッシュウイスキー復興期に建設された 新しい生産拠点です。
かつてウイスキー造りが途絶えたタラモアの町に 蒸留を復活させたことは、 現代のアイリッシュウイスキー産業の再興を象徴する 出来事の一つといえます。
ブレンデッド・ウイスキーを中心としながら、 14年や18年といった長期熟成シングルモルトも展開しており、 アイリッシュウイスキーの多様なスタイルを 一つのブランドで見ることができます。